介護

車椅子介助の注意点を元機能訓練指導員が徹底解説!

投稿日:2018年2月28日 更新日:

車椅子に乗っていて怖いと思ったことがある方は結構多いです。

管理人が機能訓練指導員をしていたときのこと、介護職員の車椅子の押し方が乱暴で怖いという話をよく聞きました。

コレはちょっとまずいなと思う介助の仕方をしている人を見かける事もありました。

介護施設で働く方だけでなく、家族の車椅子を押して出かける一般の方にも車椅子介助の差愛の注意点を知って安全に車椅子で移動して欲しいと思い、今回は車椅子の介助、特に移動の際の注意点を書いていこうと思います。


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車椅子介助の注意点

車椅子介助の注意点として大きな2つのポイントがあります。

  • 動く前のポイントは
  • 車椅子の押し方

動き出す前のポイントとは

車椅子に乗って「さあ出発」の前に必ずして欲しいことが2つあります。

1つ目は、足がフットレストに乗っているか。

足をフットレストに乗せておかないと車椅子が動いた時に足をぶつけたりして痛めてしまうことがあるからです。

室内でもシューズを履いていた方が安全ですね。

そして2つ目は、手が車椅子の車輪にかかっていないか。

車椅子が動いた時に車輪にてを巻き込んでしまうことがあるからです。

特に麻痺のある方は、自分の手や足がどの位置にあるからわからない方もいます。

介助する人が注意してあげないと事故が起こります。

動く前のポイントは

フットレストに足を乗せる
手は膝の上に乗せる

車椅子の押し方

それでは実際に車椅子を押して移動してみましょう。

ここでの注意点は、声をかけてから動き出すことです。

いきなり動き出したら驚きますよね!
車椅子の利用者は、下肢や体幹の筋肉が衰えている方が多いのです。

自力で体を安定させることができない方も多いですから急発進、急ブレーキはしないようにしましょう。

平らなところ
平らな舗装された道路などでは特に問題はありません。

周りに注意を払いながら移動しましょう。

坂道の移動

坂道に差し掛かったら注意が必要です。

登り坂
登り坂は前向きに車椅子を押して登ります。

坂道の途中で止まる時には必ずブレーキをかけるようにしましょう。

問題は下り坂。

下り坂の移動


下り坂は後ろ向きで降りるのが基本になります。

前向きで降りると体が前に傾いて危険な場合があるので後ろ向きで降りるようにしましょう。

溝や段差の移動

車椅子でも30cm程度の溝なら超えることができます。

溝を超えるには
溝の手前で一旦止まります。

まずは前輪(キャスター)だけ溝を超えてみましょう。

ティッピングバーに足を掛け、前輪(キャスター)を持ち上げます。

そのまま前輪(キャスター)が溝を超えるまで進みましょう。

前輪(キャスター)が溝を超えたら地面におろしてください。

次は後輪が溝を超えます。

後輪を持ち上げ溝を超えるまで進みましょう。

この手順で車椅子で溝を超えることができます。

注意点としては、急に前輪(キャスター)を持ち上げたりすると車椅子の利用者を怖がらせてしまいます。

前輪(キャスター)を持ち上げる際は、声をかけてから行いましょう。

段差を超えるには?

車椅子でも段差を超えることができます。

段差を超えるには、溝を超えるのと同じ手順で行います。


段差の手前で一旦止まります。

まずは前輪(キャスター)を段差の上に上げてみましょう。

ティッピングバーに足を掛け、前輪(キャスター)を持ち上げます。

そのまま前輪(キャスター)を段差の上に上げてください。

前輪(キャスター)が上がったら前に進みます。

後輪が段差に付くまで進みます。

後輪を持ち上げて段差の上に上がります。

この手順で30cm程度の段差を上ることができます。

階段の移動


2段以上の階段を上るには介助が二人以上必要になります。

登り方二人介助の場合
介助する人が車椅子の両側又は前後に位置します。

車椅子ごと持ち上げて階段を上がります。

階段が広い場合は車椅子を両側から抱えて運べますが、階段が狭い場合は介助する人が車椅子を前後から抱えて運びます。

砂利道や砂浜を移動するには?


車椅子で砂利道や砂浜を移動したことがあるでしょうか?

やってみるとわかるのですが、車椅子の前輪(キャスター)が砂利や砂に埋もれて動かなくなってしまいます。

そんな時は車椅子を後ろ向きで引いて移動してみてください。

後輪(駆動輪)は大きいので前後(キャスター)のように砂利や砂に埋もれてしまうことがありません。

この方法なら砂利道や砂浜を楽に移動ができますね。

ぜひ覚えておいて欲しいと思います。

人通りの多い道


観光地など、人通りの多い道を車椅子で移動するのは大変ですよね。

管理人は国内の観光地で車椅子を押している時、すれ違いざまに迷惑そうな顔をする人をたくさん見てきました。

ところが海外で車椅子を押していると全く違うということがわかりました。

歩行者が車椅子を避けて歩いてくれるのです。

そして、坂道では見知らぬ人が手を貸してくれました。

日本ももっと障害者に優しい社会になって欲しいものですね。

これは管理人の意見なのですが、車椅子でも人通りの多い道を遠慮なく通って欲しいと思っています。

狭いところを通るとき

狭いところを移動する時、気をつけたいのは、フットレストに乗せた爪先をぶつけないように気をつけることですね。

車椅子の利用者が大きい方だと、押している人は利用者の足元が見えなくて狭いところだと爪先をぶつけてしまうことがあるんですね。

危ないかなと思ったら横から覗き込んで確認しながら移動するようにしましょう。

当ブログでは、車椅子での旅行の注意点や電車の乗り降り、トイレへの移乗などについて記事を書いています。
こちらも参考にしていただければ幸いです。

まとめ

いかがでしたか?

動く前のポイントは?

  • フットレストに足を乗せる 
  • 手は膝の上に乗せる

でしたね。

車椅子の押し方のポイントは?

  • 下り坂は後ろ向きで降りましょう。 
  • 溝や段差があっても前輪→後輪の順で持ち上げてあげれば超えることができます。
  • 砂利道や砂浜は後ろ向きで引いてあげると楽に移動ができましたね。
  • 人通りの多い道も遠慮なく通りましょう。
  • 狭いところは爪先をぶつけないよう気をつけましょう。

車椅子介助の注意点はまだまだ沢山あると思いますが、参考になれば幸いです。


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